[アルダファーのＥＲＧ理論]

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アルダファーのＥＲＧ理論と佐藤義典による修正

マーケティング力アップ

●人間の基本的な欲求

人間の基本的な欲求、ニーズを考えていくにあたって、まず考えたのが、代表的な価値の分類方法、マズローの欲求５段階説だ。心理学や高校生の保健体育などでやっているかもしれない。

マズローの欲求５段階説

　自己実現欲求：自由、個性、成長の欲求

　自我欲求：回りから評価されたいという欲求

　所属・愛欲求：集団に所属したい、愛されたいという欲求

　安全欲求：安定的な生活をしたいという欲求

　生存欲求：食べたい、寝たいなどの生理的欲求

と、欲求には５段階あり、下位の欲求から満たされていく、という理論だ。

何となくわからないでもないが、ただ、現実的に経営には使いにくい。理由は３つある。

一つは、分類しにくい、ということだ。自我欲求と、所属・愛欲求は厳密に分けられない。生存欲求と安全欲求も分けにくい。

二つめは、単純に覚えにくい、ということだ。この５段階がすらすら言える方がいたら大した物だ。

三つ目は、下位の本能的欲求が上位の欲求に優先するとは限らないし、排他的でもない、ということだ。極端な話、勤王の志士たちは、生存欲求よりも高次な欲求のために命を投げ出した。自由のために命をかけて戦った例は歴史上枚挙にいとまがない。また、売れるものというのは、複数の欲求を満たしている。例えば、高級車は、安全（生存欲求）とステータス（自我欲求）を同時に満たしている。

アルダファーのＥＲＧ理論

だから、私は、アルダファーのＥＲＧ理論をベースに、自分でアレンジした理論を使っている。ＥＲＧ理論とは、マズロー理論をベースに、アルダファーが人間の欲求を

生存(Existence)
関係(Relatedness)
成長(Growth)

の３つに分類したものだ。５つでなく、３つで、その３つが明確に違うため、わかりやすい。

私は、このＥＲＧ理論を知らずに人間の欲求を

生存欲求　：　生理的なニーズ　基準は身体的快楽

社会的欲求　：　他人との関係ニーズ　基準は他人の評価

自己欲求　：　自分自身で完結するニーズ　基準は自己満足

の３つに分類して使っていたが、あるときに「それはＥＲＧ理論に近いですね」と指摘をいただき、恥ずかしながら知った次第である。自己欲求を、「成長」に限定せずに、自分自身のニーズ、例えばマイブームなどをここに分類するところがアルダファーとの違いである。

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